Behavioral Economics, blog

「信頼」と「裏切り」をどう乗り越えるか

※行動経済学の考え方を、中学生にもわかるように解説しています。

「信頼」と「裏切り」をどう乗り越えるか── 互いに信じる力とそのしくみ

あなたは、友達に大事な物を預けたことがありますか?

「ちゃんと返してくれる」と信じたけど、返ってこなかったら……がっかりするし、次はもう預けたくないですよね。

でも、もしちゃんと返してくれたら、「この子は信じていい」と思えるようになります。
「信じること」と「信じてよかったと思えること」、これが今日のテーマです。

人はどうやって他人を信じるのか? 信じられるとき、信じられないとき、どう行動するのか?
それを実験で調べた研究をみてみましょう。

人を信じたら、ちゃんと返してくれる?──信頼とお返しの関係を調べた研究

バーグとディクハウトとマッケイブの研究では、こんなゲームをしました:

  • プレイヤーAは、自分のお金の一部をプレイヤーBに送る
  • 送った金額は3倍になってBに届く(たとえば100円→300円)
  • Bは、そのお金からいくらかをAに返してもいいし、返さなくてもいい

ポイントは、AはBを信じてお金を預けるというところです。

そして、Bは信頼に応えるか、裏切るかを選べる立場にあります。
この実験では、実際に多くの人が「信じてお金を預け」、多くの人が「ちゃんと返した」という結果が出ました。

つまり、人は「信じられたら応えたい」と思うことが多いのです。

やさしくされたらやさしく返す。いじわるされたら仕返ししたくなる。そんな気持ちのしくみを考えた研究

ファルクとフィッシュバッハーの研究では、信頼ゲームなどの実験データをもとに、人は「やさしくされたら、やさしく返す」「ひどいことをされたら、同じように返す」という傾向があることを、理論的に説明しました。
これを互恵性(ごけいせい)といいます。

好意には好意を、裏切りには仕返しを――という人間関係の基本のような考え方です。
これは、友達付き合いやクラスの人間関係でもよく見られますよね。

教室での例で考えてみよう

  • クラスで、「これやってくれる?」と頼まれたときに、前にその子に助けてもらったことがあると、「いいよ!」って言いやすい
  • 一方で、前に裏切られた子から頼まれたら、「うーん…」とためらってしまう

→ これがまさに互恵性のしくみです。

人は、自分がどう扱われたかによって、相手への行動を決める傾向があるのです。

なぜこのしくみが大切なの?

信頼や互恵性があると、人と人との関係がスムーズになります。

お互いに「この人はちゃんとしてくれる」と思えたら、協力しやすくなるからです。
逆に、裏切りが繰り返されると、協力や信頼は壊れてしまいます。

だからこそ、人間社会では「信頼関係を守る」ことがとても大事にされるのです。

まとめ

  • 人は「信じてくれたら応えたい」「いいことをされたら返したい」と思う傾向がある
  • このしくみは「互恵性(ごけいせい)」と呼ばれ、人間関係の基本になっている
  • 信頼は、相手に預けたり任せたりすることで生まれ、互いに返し合うことで深まっていく
  • 裏切られることもあるけど、信じることが協力のはじまりになる

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